活動報告(2023-10-07)
講演・勉強会「鳥海修験~薬師信仰と修験道~」開催
2023年10月7日(土)
講演・勉強会「鳥海修験~薬師信仰と修験道~」を由利本荘市文化交流館カダーレで開催しました。
「もっと鳥海山のことを知ろう」
麓で暮らす私たちにとって身近な存在である鳥海山。
鳥海山を信仰する人々の思いはどのように形作られてきたのか…。
元秋田県立博物館の館長で、鳥海修験や宗教文化について多くの論文を執筆されている髙橋 正さんを講師に迎え、鳥海山の「薬師信仰と修験道」についてお話しいただきました。
人々の暮らしの中で鳥海山はどのように位置づけられ、崇められ、祀られてきたのか。その歴史については普段あまり意識することがありません。
山頂の本尊である大物忌神。熊野信仰との関わりと修験道の確立。出羽三山との関わり。農耕神が時代とともに薬師信仰に変遷していく…。
・「鳥海山」の名前の由来
・遊佐町の大物忌神社と由利本荘市にある大物忌神社(森子大物忌神社と木境大物忌神社、東由利にも)
・鳥海山を薬師如来に見立て、日向川、月光川を日光菩薩、月光菩薩
・表裏一体 龍頭寺(蕨岡口)と龍胴寺(滝沢口)
・鳥海修験の拠点とされる登拝道(蕨岡、吹浦、小滝、矢島、滝沢、院内)
・森子大物忌神社の薬師如来と十二神将像
などなど


由利本荘市にある修験道である矢島口、滝沢口には江戸後期、岩手からの修験者が多数を占めた。
そのため、ルートとなった東由利、矢島、滝沢(前郷)の集落は宿坊として賑わうことに。
木境大物忌神社、開山神社、森子大物忌神社ともに多くの修験者が訪れた。
鳥海山と地域の歴史は環鳥海という枠の中で密接に関わり合っています。それを広く偏りなく知識として身につけることで、鳥海山観光や登山に訪れる人に対し、より興味深いストーリーとして伝えることができでしょう。
いつかはそんな情報をわかりやすく網羅したガイドブックの発行やWebサイトの公開ができれば非常に有益なコンテンツになり得ると思います。